Back to Log

インプットメソッド選びと道具考

2026/01/08 00:43

デジタルデバイスの文字入力、いわゆるインプットメソッドは、何かと「文字をタイプする)という基本的な操作で何度もお世話になるモノでありながら、意外と選択肢が少ないように思います。

ぼくは仕事でもプライベートでも Mac を使っていますが、現在の macOS で利用できるインプットメソッドというと、自分が知る範囲だと

  • macOS 付属のデフォルトの日本語入力
  • Google 日本語入力(Mozc)
  • かわせみ
  • AquaSSK
  • ATOK

という感じなんですが(これ以外にも自分の知らないものはあるかもしれない)、自分はこのなかで「かわせみ(この記事書いた時点での最新版はかわせみ4)」を使っています。

別に「全てを試した上でかわせみが最高!」と言いたいわけではぜんぜんないのですが(実際、この中で ATOK だけは自分は使ったことがないし)、「かわせみ」は4年くらいずっと使っていて大分手に馴染んでいる感じがあり、それ以前まで使っていた Google 日本語入力と比較する中で、自分が「道具」になにを望んでいるか ということを自分が考える良いきっかけだったなあと感じているので、それを言語化してみたいと思います。

「かわせみ」は予測変換が弱い

弱いというか、Google 日本語入力のように文節まるごと先を予測してサジェストするような機能はそもそもない、です。

以前に変換した単語とかは一応自動で覚えて近い入力をするとサジェストとしてそれが出てくるので、「予測変換がない」というわけではないけど「あくまで単語レベルでのサジェスト」という感じです。

Google 日本語入力を使っていたときは予測変換は便利だと感じていたし、それがないと不便に感じるくらいだったんですが、使い慣れてくると自分が意図しない文章をサジェストされるということに段々と小さなフラストレーションを感じるようになっていきました。

あと Google 日本語入力は今となっては開発ペースがかなりスローというか、メンテされていないわけではないと思うんですが、文字入力時の変換候補を表示する UI とかも結構オールドスタイルでもう長いこと変わっていない印象があって、そこもちょっと Google 日本語入力を使っていて不満を感じるところでした。

そんな不満をきっかけに、ちょっと気分転換をかねて別のものを使ってみようと思ったのが、かわせみを使う最初のきっかけでした。

かわせみは設定項目がやたら多い

予測変換機能があまり強くない変わりに、かわせみは細かい設定項目がたくさんあって、かなり細かい使い勝手を自分好みにカスタマイズできます。

自分が気に入っている設定項目をいくつか挙げるとこんな感じ。

  • キーボードショートカットの細かいカスタマイズ
  • 変換候補の UI のフォントを自由に変更できる
  • 日付・時間の変換書式を細かく編集できる
  • 日本語・英語の入力が切り替わったときにそれを画面に表示できる機能がある
  • 手描き入力なんかもある

まあ、それぞれの機能だけをみればこれが「かわせみ」でしかできないことかっていうと、必ずしもそうではないんですが、これはあくまで一例として、とにかく設定項目が多い。

なので普段使っていて、ふと「こういうふうになったらいいなあ」と思いついたときに、それらしい設定を掘っていけばそれができる、みたいなことが結構多いんですよね。

Vivaldi というブラウザーを自分が 10 年間使っている理由のひとつも「やたら設定項目が多い」という点なので、たぶん自分はそういう「カスタマイズ性の高いもの」が好き、ということもあるんだと思います。

早く文字が入力できるということは(自分の場合)必ずしも最重要ではない

これは、Google 日本語入力からかわせみに変更して、自分の習慣や感覚をそっちにアジャストしていくときに思ったことなんですが、

文字を早く入力するという意味では、予測変換が強い Google 日本語入力のほうが若干早く入力できるなという感じはしたんですが、一方で自分は必ずしも早く入力することだけ求めているわけではないなとも感じました。

かわせみの設定を、自分の好みに設定してそれがフィットしてくると文字の入力や修正・変換といった細かい作業がより感覚的にできるようになってきて、そうなるとなんというか、自分で文字を打ちたくなってきたんですよね。

いままでは、なるべく少ないタイピングで文字を入力できる予測変換がありがたかったはずが、いつのまにか「もっと文字を入力・編集・操作したい」に変わっていた。

これは、自分の中では結構おもしろい心境の変化だなと感じました。

macOS 標準の日本語入力

かわせみはバージョンアップごとに買い切りのプロダクトなのですが、購入前に無料で試せるので、その試用期間には比較として、macOS 標準の日本語入力も使ってみました。

macOS の日本語入力はライブ変換というユニークな機能があって、ある程度文字を入力していくと勝手に漢字を文脈に合ったものに変換してくれるという機能があります。

これも、予測変換とは違った面白さがあったものの、たまに意図と違う変換になったときに気づかなかったり、やはりそこに自分の「文字を入力している」という感覚が薄れるという感じがあり、結局馴染めませんでした。

AquaSSK

AquaSSK は10年以上前に、一時期気に入って使っている時期があり、これも「シフトキー」を押すことで漢字に変換する位置を指定するというユニークな入力方法で、これも使っていた当初はある程度身体をその操作にアジャストできていたので思った通りに文字を入力できるという感覚を持てていたのですが、その後に Google 日本語入力を使うようになってからかなりブランクがあったので、かわせみを試用していた当時ではもはやその感覚を完全には取り戻せなかったですね。。

あとは、AquaSKK もオープンソースということもあってか、UI の見た目は結構武骨な感じで(それはそれで嫌いじゃないんですが)かわせみのそれと較べると(自分にとっては)ちょっと物足りなく感じてしまったところもありました。

インプットメソッドという「道具」に自分が求めていたもの

以上のように、文字を書く(インプットメソッドの場合は書いているわけではないですが)という行為は、結構自分の中では感覚的な部分も多いんだなということを、いろいろ試していく中で当時自分は感じていました。

実際に字を書くときも、良いペンや万年筆を持ってみると書くのが楽しくなったり、字の雰囲気もちょっと変わっちゃったりということは起きますし、それが持ちやすかったり書き味が滑らかで書きやすかったりすれば、ますます書くことが楽しくなっていくと思います。

そういう感覚を、自分はかわせみを試用したときにも感じて、以来いままでずっと使っています。

使うことが楽しい「道具」って、いいですよね

インプットメソッドにかぎらず、たとえば文中に挙げた Vivaldi というお気に入りブラウザーや、自分の用途にあったバッグとか、足に合った靴、など、自分や自分の身体に馴染む道具というのは、「楽しさ」があるような気がします。

これからも楽しさを感じるものを見つけていきたいし、そういった道具には感謝をこめて、これからも応援していきたいと思っています。